Shopifyヘッドレスコマース(Hydrogen)で越境ECを始めての学び
わたしたちの会社ではShopify Hydrogen V2(ヘッドレスコマース)でできた自社EC・yori.so gallery & labelで、多言語・多通貨対応を行い、越境ECを始めました。
結論、ハイドロジェンで越境ECをするのはすごく良いと思っているので学びをシェアします。
技術構成
越境ECもECという意味では国内向けと変わらないのですが、越境ECならではの要素として、ターゲットとする国を決め、言語、通貨、関税、配送方法の4つの点をどうするか考える必要があります。
検討の結果、今回の技術スタックは以下になりました。
フロント:Hydrogen V2
ホスティング:Oxygen
多通貨対応・租税対応:Shopify Markets
翻訳アプリ:Shopify Translate & Adapt
配送:オープンロジ
Hydrogenはデフォルトで多言語多通貨対応機能がついているので、すでにHydrogenでできたサイトがあれば、そこまでコードをいじることなく多言語、多通貨対応ができると思います。
そしてバックエンドで使ったものについての解説を以下に記します。
多通貨対応について
まず多通貨対応については、Shopifyに組み込まれているマーケット機能でターゲットとなる国を設定し、必要な設定を行うことができます。
このShopifyマーケットという機能で、翻訳以外の一通りの越境ECに必要な設定ができます。
- 国によっては送れない商品があるので、国内向けに販売している商材のうち海外向けに売れる、売れない商品の一括設定
- 値段を国内向けの値段から何倍にするか、為替レートをどう反映するかの一括設定
の機能が特に便利です。
法律・条約・粗税対応について
国によっては法律・条約の関係で配送できない商品があるので、注意が必要です。
郵便局の国際郵便ページに詳しく記載があるので、詳しくはこちらをご参照ください。
また、ヨーロッパにはEU一般データ保護規則(GDPR)という個人情報保護関する条約があり、ヨーロッパ向けに販売する場合は、こちらの要件に合わせてECサイトを改修する必要があります。
さらに国によっては、輸出入にかかわる関税、酒税といった商品の種類によりかかる物品税、日本での消費税に相当する付加価値税が存在します。
この部分を確認せずにエンドユーザーさんへ物品を販売してしまうと、商品が届かない、もしくは届いても受け取り拒否の原因になってしまうので注意が必要です。
Shopifyのプレミアムプラン以上で使えるマーケット機能で税金を自動設定、事前徴収してくれる機能があるので、そちらの機能も検討にいれると良いでしょう。
多言語対応について
Shopifyには様々な翻訳アプリがありますが、公式が出しているTranslate and Adaptがとても便利でファーストチョイスです。
特に以下の点が便利に思いました。
- 自動翻訳をしてくれる
- メタオブジェクツ、メタフィールドなど自身でカスタマイズして追加した項目も多言語対応可能
*新しくその言語分のフィールドを作ってコードをif文で分岐させて、と言った作業が不要になります。
配送について
越境ECに対応してくれる業者が多いのですが、国内向けで配送でお世話になっているオープンロジさんにお願いしました。
Shopifyと自動連携して注文が国内外問わず自動で配送してくれるので、とても便利です。
ヘッドレスコマースで越境EC行うメリット
日本向けサイトをShopifyテーマで作って、海外向けにヘッドレスコマースで作ることで、「バックエンドは統合したままフロントエンドは独立化」することができるのが最大のメリットです。
バックエンドは統合されているので在庫管理などは一元管理のまま、フロントエンドで国内向けと海外でデザインを完全に分けることができるので、より海外の言語、ターゲットに合わせてたデザインのサイトが構築できます。
そのため特にブランディング重視のECサイトに最適と言えます。
また万が一、越境ECがうまく行かなかった際に撤退する際もフロントエンドが独立しているので、国内向けのサイトに影響を及ぼすことなく作業が行えるのもメリットと言えます。
私達の会社ではヘッドレスコマースでの越境ECサイトも承っておりますので、気になった方はこちらをご覧ください。
どうぞよろしくお願いします。