Netflixなど世界的大手企業も採用、マーケター向け機能が充実のヘッドレスCMS「Storyblok」入門

近年、Webサイトのコンテンツ管理システム(CMS)の選択肢として注目されているのが「ヘッドレスCMS」です。中でも「Storyblok」は、ノーコードツールのような使いやすさと、カスタマイズの拡張性を両立するCMSとして注目を集めています。

本記事では、Storyblokの基本的な特徴から、導入メリット、具体的な使い方までを解説します。WordPressからの乗り換えや、Shopifyとの連携を検討している方にとって、必見の内容です。
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ヘッドレスCMSとは?

ヘッドレスCMSの比較対象として、従来のWordPressは、「中身(データ)」と「見た目(テーマ)」が一体となっています。

一方、ヘッドレスCMSは、“中身”をクラウドに預けて、Webサイト(=見た目)側がAPI経由でそのデータを取得して表示する仕組みとなります。

WordPressと比べたメリット

  • 高速:キャッシュが効くので表示が速く、ユーザー体験が良くなることでCVRが改善。SEO評価にも好影響。
  • 保守不要:セキュリティ保守はサービス提供側が実施。サーバーのメンテナンス工数や、コストを大幅にさげることができます。
  • 再利用性:コンポーネントを組み合わせてページを構成するので、柔軟な編集が可能。デザイナーやエンジニアでなくても、運用担当者がビジュアルエディタでページを作成、編集できるようになります。
  • Hydrogen連携:ShopifyでのヘッドレスEC構築にも対応。

つまり、高速で安全、更新の柔軟性も高く、メンテナンスコストが低いサイトを作ることが可能になります。

Storyblokとは?


Storyblokはオーストリア発のヘッドレスCMSで、世界74,000社以上が導入しています。AdidasやTesla、Netflixといった大手企業も活用しており、グローバルでも高い評価を受けています。


特に特徴的なのは「ビジュアルエディタ」の存在です。直感的な操作で、ノーコード感覚でページを構築することができます。

Storyblokの主な特長

  • ビジュアルエディタ:パーツをドラッグ&ドロップで配置すると、リアルタイムにプレビューが表示されます。完成形を見ながらページを作ることができます。
  • 多言語対応:言語設定を追加するだけで多言語サイトが構築可能。翻訳・承認フローも見やすく管理。

つまり、 「ヘッドレスの拡張性」と 「ノーコードツールの手軽さ」をいいとこ取りしているのがStoryblokなのです。

Storyblokの操作

Storyblokではデザイナー/エンジニアがあらかじめ作成した「ブロック(=パーツ)」を、「コンテント(=ページ)」の中で組み立てていく構造になっています。ページの組み立ては、ノーコードで可能なため、非エンジニアのサイト担当者が柔軟に更新できます。


トップページの作り方

Storyblokの管理画面で「Content(コンテンツ)」を開くと、各ページの一覧が表示されます。トップページ(Home)を選択すると、ビジュアルエディタが立ち上がります。

ここでは、すでに作成されたブロック(たとえばHeroセクション、画像付きのテキスト、ボタンなど)を組み合わせて、ページを編集していきます。

各セクションは、ツールバーから並べ替えたり削除したりできます。
テキストや画像もその場で直接編集可能。反映はリアルタイムで確認できます。
たとえば「見出しを変更したい」と思ったら、該当ブロックをクリックしてテキスト欄を編集するだけ。保存すれば、すぐに本番サイトに反映できます。

固定ページ(LP)の作り方

新しいページ(たとえばLPなど)を作成したいときは、Content > Create New をクリックします。

作成されたページは空の状態ですが、ここに既存のブロックをどんどん追加して構成を作っていきます。

カラーや背景もブロックごとに設定できるため、雰囲気の異なるLPも簡単に作成できます。
共通のレイアウトやパーツを使うことで、ブランドの一貫性を保ちながらページを追加することが可能です。

ブログ一覧ページの作り方

ブログ記事の一覧ページを作る場合は、専用のフォルダ(たとえば articles)を用意し、その中に記事(= Story)を格納していくスタイルになります。

一覧ページでは、記事のリストを表示する専用のブロックを使用し、「どのフォルダ内の記事を表示するか」を設定で指定するだけでOK。

また、タグやカテゴリーでのフィルタリングも可能で、運用面でも柔軟に対応できます。

ブログ詳細ページの構成

個々のブログ記事は、あらかじめ用意された「Article」のブロックをもとに作成されます。

本文の入力欄はエディタ内にあり、見出し・本文・画像などを構造化されたフィールドで入力していきます。

記事が増えてきた際にも、フォルダやタグを活用した構造管理で、WordPressのような表形式リストがなくても問題なく運用できます。

お問い合わせページの作り方

Storyblokでは、フォームの構成もブロックとして定義できます。

たとえば「Contact Form Section」というブロックの中に、見出しや説明文を設定する項目(Headline、Text など)があります。

これらの文言はStoryblok側で編集できます。
実際のフォーム入力欄(名前・メール・本文など)は、フロントエンドのコード側で実装されています。
つまり、フォームの文言はノーコードで編集でき、送信処理やセキュリティの制御は開発側が担うという分担が可能です。HubspotやFormstackのようなフォームサービスを埋め込むこともでき、柔軟に設計できます。

SEOにも有利な多言語対応

Googleはサイトの構造と品質を評価基準としています。片手間な多言語対応(例:英語1ページだけなど)は、むしろ日本語版ページの評価にも悪影響を与える可能性があります。

Storyblokでは、言語ごとにきちんとURL・メタ情報・hreflangが整理できるため、SEO資産をしっかり守ることができます。

具体的には、Settings > Internationalization から言語設定が可能です。

言語を追加すると、各ページの編集画面に「ja / en」などの言語タブが出現し、言語ごとのコンテンツを入力できるようになります。

  • 構成はすべての言語で共通なので、翻訳部分だけを入力するだけで済みます。
  • ページをコピーして別言語を作る必要がないため、運用も非常にシンプルです。

また、承認フローや翻訳ステータスを可視化する機能もあり、チームでの運用にも向いています。

まとめ

Storyblokは、

  • 簡単にページが作れるのに 表示は高速・セキュア
  • WordPress移行やShopify連携にも最適
  • 将来フレームワークを替えてもコンテンツはそのまま使える

現代のWeb運用に求められる要素をバランスよく備えたCMSです。

CMSのリプレイスを検討している企業様、将来にわたって柔軟に運用できるサイトを目指している方には、ぜひ検討いただきたい選択肢です。

実装や運用に関するご相談がありましたら、お気軽にご連絡ください。

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