Shopifyテーマの基本的なSEO対策の実装方法
本記事は私達の会社で作ったShopifyテーマ開発入門書『Hello Shopify Themes Shopifyテーマ開発ガイド』からの抜粋です。
SEO(検索エンジン最適化)も、実務においては欠かせない領域です。
テーマストアでの販売要件にはSEO対応も含まれているので、Dawnやサードパーティ製のテーマを用いる分にはデフォルトのままでも大きな問題はありません。SEOをより詳細に管理できるアプリも販売されているので、そちらの利用を検討しても良いでしょう。
オリジナルテーマの開発では、DawnのSEO関連記述を踏襲することをおすすめします。
特に次の点に注目してください。
- タイトル要素
- メタディスクリプション要素
- カノニカルURL
- 構造化データによるGoogleリッチスニペット表示対応
タイトル要素
Dawnの <title>
要素は次のように記述されています。
<title>
{{ page_title }}
{%- if current_tags %} – tagged "{{ current_tags | join: ', ' }}"{% endif -%}
{%- if current_page != 1 %} – Page {{ current_page }}{% endif -%}
{%- unless page_title contains shop.name %} – {{ shop.name }}{% endunless -%}
</title>
{{ page_title }}
は、商品・固定ページ・コレクション・ブログ・ブログ記事の管理画面上で設定されたタイトルを出力するLiquidオブジェクトです。ストアのトップページでは、ストア名称を表示します。
加えて、コレクションやブログ一覧ページなどでタグ絞り込みやページ分割が成された場合には、現在のタグとページ数がタイトル内に追加されます。
メタディスクリプション要素
Dawnのメタディスクリプション要素は、 <title>
に比べればシンプルな作りです。
Liquidオブジェクト {{ page_description }}
は、商品・固定ページ・コレクション・ブログ・ブログ記事の管理画面上で設定された説明文を出力します。ストアのトップページにおける説明文は、「オンラインストア」>「各種設定」ページから設定可能です。
{% if page_description %}
<meta name="description" content="{{ page_description | escape }}">
{% endif %}
カノニカルURL
{{ canonical_url }}
については、「4-4. テーマファイル解説」でも言及しましたね。現在のページの正規URLを自動的に出力するLiquidオブジェクトです。
<link rel="canonical" href="{{ canonical_url }}">
たとえば、バリエーション選択が成された商品ページのURLは、次のようにパラメータが付与されます。
https://nsw-sample-store.myshopify.com/products/dawn-wildflower?variant=42240097157337
このままでは、通常のページ https://nsw-sample-store.myshopify.com/products/dawn-wildflower
と、バリエーションパラメータを付与したページ https://nsw-sample-store.myshopify.com/products/dawn-wildflower?variant=42240097157337
、どちらのURLを検索インデックスに登録するべきか、検索エンジンは判断できません。
{{ canonical_url }}
の記述を加えれば、次のようにカノニカルURLが指定され、検索エンジンに該当ページの正規URLを通知することができます。
<link rel="canonical" href="https://nsw-sample-store.myshopify.com/products/dawn-wildflower">
通常はこれで問題ありませんが、コレクションページなどのフィルタリングにアプリを追加する場合、アプリによってはURL正規化の処理が甘いときがあるので、動作検証時によく確認してください。
構造化データ
Dawnでは、JSON-LD形式の構造化データによって、Googleリッチスニペット表示への対応が成されています。Liquid内の <script type="application/ld+json">
要素で記述されているのが構造化データなので、カスタマイズの際には誤って削除しないように注意してください。
Dawnでは次のページに構造化データの記述が含まれています。これらのページ以外にも構造化データを追加したければ、Googleの構造化データに関するドキュメントを元に追記を行ってください。
- 商品ページ
- ブログ記事ページ
- サイト全体(Organization、website、SearchAction情報)
robots.txt
Shopifyはデフォルトで robots.txt
を生成しています。現在ストアに適用されている robots.txt
の内容は、次のURLで確認可能です。
https://ストアドメイン.myshopify.com/robots.txt
デフォルトの robots.txt
にカスタマイズを加えるには、 templates/robots.txt.liquid
ファイルを利用します。元々テーマには含まれていないファイルなので、自身で作成してください。 robots.txt.liquid
はテンプレートファイルですが、OS2.0テーマでもLiquid形式で作成する必要があります。JSON形式には対応していません。
具体的な記述例は、公式ドキュメントのサンプルを参照してください。
https://shopify.dev/themes/seo/robots-txt
完売後の増刷予定は現時点ではございません。印刷書籍をご希望の方は、ぜひお早めにお迎えください。
- 著者:川島さやか
- 出版:non-standard world, Inc.
- 判型・ページ数:B5判・248ページ
- 価格:3,850円(税込)※PDF版同梱、送料無料