デンマークのカオスパイロットから学ぶ、共に創るデザインファームのあり方とは。

私たちの会社の未来を考えていくため、気になったモノコトを調べていく不定期連載「ノンスタ未来会議」を始めます。

第1回目は、デンマークのビジネスデザインスクール「カオスパイロット」です。

北欧といえば、仕事は短時間で集中して結果を出し、夕方からは家族や友人との時間を大切にする。そんなライフスタイルがあると言われています。とっても魅力的…!

しかし、私たちが身を置くWEB制作業界はもちろん、どの業界も仕事内容が複雑化かつ高度化しているのではないでしょうか。

北欧スタイルと複雑かつ高度なビジネスを、共存させることはできるのか。

そんな疑問へのヒントを、カオスパイロットから探していきたいと思います。

カオスパイロットとは

カオスパイロットとは、デンマークのビジネスデザインスクールです。

設立の目的は、カオスな時代のなかでクリエイティブ・リーダーシップを発揮できる人材を育成すること。

プログラムは3年制と長期にも関わらず、「世界に変化を起こしたい」と考える人たちが世界中から集まっています。

卒業生の多くが起業、またはリーダーシップを発揮し、ビジネスを通じた社会的課題の解決を目指しています。

写真はイメージです。

私たちがカオスパイロットに注目する理由

冒頭でもお伝えした通り、現在のビジネスは複雑かつ高度化しています。

私たちが行っているShopifyコンサルという仕事を例にしても、

ブランディング、マーケティング、ファイナンス、エンジニアリング、デザイン、生産管理、仕入れ、在庫管理、物流、店舗管理、接客、カスタマーサポート

と多種多様な知識・スキルが必要なのですが、当然これら全てを一人でできる人はいません。

また、私たちよりもお客さまのほうが圧倒的なご経験・知識をお持ちの分野ももちろんあります。

ですので、専門家がコラボレーションすること、つまり「一人ひとりが持っている知識や発想力を総結集する」ための方法論が必要となってくるのです。

そのための軸として、ノンスタでは

  • デザインにおいては「デザイン思考」
  • 経営においては「リーン」
  • 技術において「アジャイル」

という方法論を採用しています(詳しくは、こちらでお伝えしています)。

 

あるとき、代表の高崎がデザイン思考について調べていたところ、大きく分けて「アメリカのIDEO派」と「ヨーロッパのカオスパイロット派」が存在することを知りました。

このヨーロッパのカオスパイロットに、「起業における理想論だけではうまくいかない、ドロドロした部分をどうするかの方法論があるように感じた」と高崎は語ります。

カオスパイロットが提唱する「クリエイティブ・リーダーシップ」は、次のように定義されています。

人とアイディアを成長させるために創造的なコラボレーションをリードすることのできるスキルです。創造的なコラボレーションとは、われわれの“誰か”ではなく、“誰もが”クリエイティブになれる働き方を指し、想像もしていなかったような結果を生み出すことです。

共創型アクションデザインファーム レアの公式noteより

“誰もがクリエイティブになれる働き方”
“想像もしていなかったような結果を生み出す”

チームづくりのヒントをカオスパイロットから学んでいきたい。そう考えるようになりました。

カオスパイロット流 チームのつくり方

では、どのように「誰もがクリエイティブになれるチーム」をつくっているのでしょうか。

カオスパイロットの授業では、以下のように学習が進められます。

  1. まず「自分とは」を知ること
    自分はどういう人間なのか、何をしたいのか、なぜそれがやりたいのかを理解します。
  2. 次にチームをつくること
    目標達成のために必要なチームを作り、お互いの価値観を理解します。
  3. そして、実践すること
    チーム内で互いに影響しあって、課題解決方法を見つけていきます。

 

具体例を挙げると、同校のクリエイティブリーダーシッププログラムには、実際のクライアントや行政が抱えている課題に向き合うプロジェクトがあります。

通常のビジネススクールでは、まずビジネスのセオリーを学び、次にプロジェクトに取り組みます。

対してカオスパイロットでは、まずプロジェクトに取り組みます。後にふりかえって得た気づきを、既存のセオリーに置き換えたり、オリジナルのセオリーをつくっていきます。

こうすることで、

  • セオリーが分からないので、自分の頭で考えるしかない
  • ふりかえりで仲間と対話することにより、自分のユニークさに気づく一歩となる

という状況が生まれます。

自分のもつユニークさは、なかなか自身では気づくことが難しいもの。

ですが、対話をしながら客観的な視点をもらうことで、自分がどのようにプロジェクトに貢献できるかのヒントが見えてくる
これは自己効力感につながり、プロジェクトに主体的に取り組むきっかけにもなっていきます。

そして同時に相手の背景や考え方も知り、多様な価値観をもったメンバーと影響しあって課題解決に向けて協力していきます。

 

このようにカオスパイロットでは

・まず自分と相手を理解すること

・そして、互いに影響しあって実践すること

という道筋で、共創するチームを生み出しているんですね。

写真はイメージです。

全員が発言しやすい環境づくり

これまで見てきたように、共創するチームを作るためには「対話」が重要となってきます。

多様なアイディアを汲み取るためには、全員が発言しやすい環境づくりが必要です。

そのための具体的な方法として

  • 最初は一人で考え、隣の人と意見交換をし、そのあとチームで話し、みんなの前で発表する
  • 全員のパーソナリティを理解できるようなミニゲーム
  • リラックスをもたらすエクササイズ
  • ワークショップの始めに目的を、終わりには学びを、一人ひとりが単語でシェアする

などが紹介されていました。

最後に

今回カオスパイロットの事例を調べてみて、社内のあれこれにカオスパイロットの考え方が反映されていることを知りました。

たとえば、新入社員の人生曲線発表。

スタッフ一人ひとりが人生曲線をつくり、これまでの人生でよかった出来事もそうではなかった出来事も発表し、共有しています。これは、カオスパイロットの「まず自分と相手を理解すること」につながります。

また、2人でペアになって業務上の課題に取り組む「ペアプロ」

私はひとりで作業をしていると情報収集が止まらず机上で考え込んでしまう癖があるのですが、ペアプロでともに作業をしてくれる方が実践を重視してくれるおかげで、沼に入り込む前に視点を上げてもらっています。

これは、カオスパイロットの「互いに影響しあって実践すること」につながります。お互いの得意分野を持ち寄ることで、一人で課題に取り組むよりも早く結果に結びついています。

こうした学び・経験を活かし、お客様とのサイト制作においても「デザインスプリント」を導入しています。

対話を通じて、課題の明確化と目指すべき方向性を一緒になって確認していく場を提供させていただいています。

Google提唱のプロダクト開発手法「デザインスプリント」をクライアントワークで実践した学び

お客様と私たち一人ひとりが、これまでの経験やアイディアなどを持ち寄って一丸となって共通の目標を成し遂げていくために。

これからも共に創るデザインファームのあり方を追求していきます。

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