写真入門・第3回|レンズによって撮れる写真の違いを学ぶ「レンズの種類と遠近感」
写真入門第3回は「レンズの種類と遠近感」です。カメラを学び始めるとわかってくる、レンズ選びの楽しみ。簡単にわかるレンズの違いを学んでいきたいと思います。それではスタートです!
写真入門・目次
第1回「絞りとシャッタースピード」
第2回「露出とホワイトバランス」
第3回「レンズの種類と遠近感」
第4回「写真を撮る時のコツ」
第5回「カメラの選び方」
目次
レンズの種類と焦点距離
レンズについて知る上で、まずはじめに覚えたいのが「画角」という言葉。これは、写真に写る範囲のこと。画角は、広角、標準、望遠などレンズの「焦点距離」というものによって変わります。焦点距離の単位は、ミリ(mm)で表します。それぞれのレンズの焦点距離の違いを以下の写真で見ていきましょう。
24mm|広角レンズ
50mm|標準レンズ
85mm|中望遠レンズ
105mm|中望遠レンズ
焦点距離の短いレンズほど画角が広くなり、写る範囲が広がります。逆に、焦点距離の長いレンズほど画角が狭くなり、被写体が大きくなることがわかるかと思います。
焦点距離による遠近感の違い
それぞれのレンズの焦点距離の違いは、遠近感を出すためにも使えます。下は前後に置かれた2つの椅子を、異なったレンズで撮影した例です。
24mm|広角レンズ
50mm|標準レンズ
上の2枚の写真、手前の椅子のサイズはほぼ同じです。24mmレンズのときは手前の椅子から約1メートルの近さで撮っていて、50mmレンズのときは約2メートル離れて撮っているのです。
手前の椅子の大きさは同じように写っていますが、何が違うかというと、奥の椅子の大きさが違います。広角レンズのほうが、奥の椅子が小さく写っている、つまり、遠近感がより強調されることがわかります。
85mm|中望遠レンズ
105mm|中望遠レンズ
さらに85mm、105mmと望遠になるにつれて、だんだんと遠近感が消え、奥行きが圧縮されてきていることがわかります。
遠近感を消す「圧縮効果」
望遠レンズで得られる、遠近感を消す「圧縮効果」。実は、旅行関連のポスターなどで見る波打ち際の露天風呂の写真の撮影などにも使われています。実際は遠いけれども圧縮効果で、波打ち際に露天風呂があるかのように写すことができます。目で見るより、レンズの効果を使うことで、近くにあるように見せることができるのです。
一方、広角は室内を撮るときなどに、空間をより広く見せる効果があります。実際に目で見るより、遠近感が強調されるためです。どんなレンズを使うのか、用途によって変えてみるのも面白いかもしれませんね。レンズの焦点距離はカメラのカタログにも書いてあるので、カメラとレンズを選ぶ際にはぜひ参考にしてみてください。
以上でカメラ、レンズに関する話は終わりです。次回は「写真を撮る時のコツ」をご紹介します。ちょっとした工夫で、いつもの写真がちょっと良くなるようなポイントをお伝えしたいと思います!