こんにちは、non-standard worldの佐藤です。

Webサイト上で更新したはずの内容が、いつの間にか元に戻ってしまっている「先祖返り」。Web担当をされているみなさんにも、一度や二度は冷やっとした経験がある方も多いのではないでしょうか。

CMSではシステム側で更新履歴が残るようになっているものも多いですが、HTMLや画像などの静的ファイルについては、更新管理に悩まれている方も多いはず。エクセルなどで更新履歴を管理されている担当者さんも多いようなのですが、手動のため、この方法だと抜け漏れが発生する可能性もあります。

先祖返りを防ぐには、バージョン管理システム「Git（ギット）」を

Webサイトの先祖返りを防ぐためには、バージョン管理システム「Git（ギット）」の利用がおすすめです。

Gitを利用すると、以下のようなメリットがあります。

• 更新があった際に「コミット」という操作をするだけで「誰が、いつ、どこを、どのように変更したか」を自動的かつ正確に記録できる
• それらの更新履歴は、いつでも「コミット履歴」から参照できる
• 先祖返りが起きそうになった場合には「コンフリクト」というエラーが表示されるので、先祖返りを未然に防ぐことができる

私たち制作会社では、この仕組みを利用してソースコードのバージョン管理をすることが多いです。Gitという概念に慣れるためにやや最初のハードルはあるものの、一度覚えてしまえば非常に便利な仕組みです。直感的な操作ができるアプリケーションなども色々と出ており、エンジニアリングの知識がなくても利用できるので、企業のWeb担当者さんが更新を担当される場合にはぜひ導入を検討されることをおすすめします。

Gitの概要についてはこちらのサイトがわかりやすいです：
サルでもわかるGit入門 〜バージョン管理を使いこなそう〜

複数人での更新作業には、クラウドサービスの「GitHub（ギットハブ）」を

手動でその問題に対処する場合

手動で上記の問題に対処する場合、以下のような方法を取ることになります。

いかがでしょうか？
手間がかかるうえ、ヒューマンエラーが起きやすく不正確な方法といえます。

バージョン管理システムであるGitを、クラウドサーバー上で管理できるようにしたサービス「GitHub（ギットハブ）」を利用すれば、上述のような問題を一気に解決することができます。

• ソースコードを一元管理して共有するので、共同作業者が常に最新のソースコードをもとに編集することができる
• 誰がどのような変更を加えたかを自動で記録し、一覧で閲覧できる
• 複数人が同じファイルを編集しても、その変更をどのように統合するか、専用のツールで管理できる
• さらにGitHubを本番サーバーと連携することにより、変更したファイルの自動反映や、公開の取り消し（巻き戻し）も可能になる

GitHub画面イメージ

GitHubの利用にかかる費用

Git自体は無料ですが、クラウドサービスのGitHubは有料です。5ユーザーまでであれば月額25ドルとなります（2018年8月現在）。

また、セキュリティーポリシーなどで外部クラウド上にWebサイトのデータを保管することがNGである場合、1ユーザーあたり月額21ドルで、自社サーバー上にインストールして利用するタイプのEnterpriseプランもあります。

まとめ

Webサイト運営において先祖返りの発生は深刻な問題ですが、手動での対策は非常に大変かつ、いつかは必ずミスが起こるものです。

ミスが起きないように注意するのではなく、ミスが起きない「環境」を作ること。GitとGitHubは、そのために必ずや貢献してくれるツールです。

Web担当者のみなさんにはぜひ、更新する内容（コンテンツ）のほうに集中できる環境を作っていただき、効率的なWeb運営を実現いただけたらと思います。

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