
アート鑑賞手当で「上村松園と麗しき女性たち」に行ってきました
こんにちは。デザイナーの風間です。
私たちの会社には、「アート鑑賞手当」という社内制度が存在します。
それは、「月5000円を上限として、鑑賞後ブログを書くことを条件に、スタッフのアート鑑賞(絵・音楽・映画・演劇・ダンス)を補助する」というもの。
今回足を運んだのは、山種美術館で7月まで開催されていた、「上村松園と麗しき女性たち」です。
上村松園について
「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願」と語った日本画家・上村松園。この言葉どおり清らかで気品に満ちた松園の作品は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。——展覧会サイトから引用
上村松園は明治〜昭和期に活躍した日本画家です。
生涯にわたって美人画を描き、伝統的な大和絵の技法に近代的な感覚を取り入れた、気品あふれる優美な女性像を確立しました。代表作には『序の舞』、『母子』、『砧』などがあります。
私が上村松園を知ったのは、恥ずかしながらごく最近。美しい女性を描く画家として社内で教えていただき、興味を持ちました。
元々日本画や、女性にフォーカスした作品にあまり親しみがなく、だからこそ実物をみてみたいと思っていました。
上村松園と麗しき女性たち
まずはその細やかな美しさに驚きました。
観れば観るほど、何をどう描くか描かないか、とても稀有なバランスで成り立っていることが伝わり、静かな絵が多い一方で、画家の胆力に圧倒されました。
特に彼女の描く表情が好きです。「日本画というものはこういうものだ」「男性が描く方が女性は美しい」と、どこか思い込んでいたのですが、鑑賞後はこんなに美しい女性の描き方があるのだと、180度見方が変わっていました。
「女性の美に対する理想やあこがれを描き出したい」彼女の言葉通りの、外見も内面もその心持ちが現れたような、どんな女性にも重なるような絵だと思いました。
そして、挑戦はしつつも、絵のスタイルを大きくは変えず、一心に理想を追い求めていたのだろうと見受けられ、その想いを持ち続け邁進できる強さにも刺激を受けました。
時に振り返りたくなる絵
帰宅後は早速、ABCシリーズのもっと知りたい「上村松園」で復習。
個人的に画家には破天荒さ、不安定さが煮詰まった様な経歴を辿る方も多い印象なのですが、彼女は絵と向き合い、母を想い、一心に芸を高めた方なのだろうと見受けられたのも印象的でした。
彼女の絵との関わり方からも刺激を受けますが、彼女の描く凛としたしなやかな女性像にも背筋が伸びます。
家の玄関に一目惚れした「庭の雪」のポストカードを飾りました。
だらけてしまうことも多いけれど、時に彼女の絵を眺めて、姿勢を正したいなと思います。