
ShopifyとGoogle FlutterでECサイトをスマホアプリ化するメリット
スマートフォンの急激な普及により多くの企業がECサイトのスマホアプリ化に取り組んでいます。
特にShopifyを使用している事業者様にとってアプリ化はお客さまと直接繋がる手段として検討すべき重要な戦略です。
この記事では、ECサイトをスマホアプリ化するメリット、そしてGoogle Flutterで実装することで得られる主なメリットを解説します。
目次
はじめに:ECサイトをスマホアプリ化する4つのメリット
1. お客様のエンゲージメントの向上
SNSや検索エンジン、広告など他社のプラットフォームではなくダイレクトにアプリでつなることによりお客様との関係性を深めることができます。
特にアプリをインストールしたユーザーは高い確率でリピート購入する傾向にあります。
- ホーム画面の常駐: スマホのホーム画面にアイコンが表示され、ブランドの存在感が継続的に維持されます。
- ワンタップアクセス: ブラウザを開いてURLを入力する手間なく、ワンタップでショップにアクセスできます。
2. プッシュ通知による他社のプラットフォームに依存しない集客
アプリ最大の強みは、プッシュ通知を送信できる点です。
おなじくプッシュ型で集客できるメディアとして、LINEやメルマガがありますが、大手のプラットフォームに依存した集客は費用の高騰やアルゴリズム・仕様の変更による影響で集客コストに安定感がないというデメリットがあります。
また、メール配信は確かに自社プラットフォームで可能ですが、それと比較してプッシュ通知は開封率が約4倍高いというデータもあり、他社のプラットフォーム依存しない効果的なマーケティングチャネルとして機能します。
- タイムリーな情報発信: セール開始、新商品入荷、在庫の再入荷などの情報をリアルタイムで顧客に届けられます。
- パーソナライズされたメッセージ: お客様の行動履歴や購買パターンに基づいて、個別にカスタマイズされた通知を送信できます。
- 再訪問の促進: 長期間サイトを訪れていないユーザーに再訪問を促すことができます。
3. データ収集と分析の強化
アプリを通じて、より詳細なお客様の行動データを収集でき、それに基づいたレコメンデーションを行うことができます。
- 詳細な行動追跡: ブラウジング履歴、購買パターン、商品の閲覧時間などの詳細なデータを取得できます。
- インサイトの活用: 収集したデータを分析し、商品開発やマーケティング戦略の改善に活用できます。
- パーソナライゼーション: ユーザーの好みや行動パターンに基づいた商品レコメンデーションが可能になります。
このようなデータ駆動型のアプローチにより、より効果的なビジネス戦略を立てることができます。
4. モバイル専用機能の活用
スマホアプリはデバイスの機能を直接活用できるため、ウェブサイトでは実現困難な機能を提供できます。
- 位置情報の活用: 近くの実店舗情報の提供や、位置に基づいたオファーの発信ができます。
- ログイン不要のお気に入り追加機能: Webサイトにログインしなくても。ECサイトの商品をお気に入り追加して記録しておく機能を実装することができます。
ECサイトのスマホアプリ化の成功事例
他社様の事例になりますが、ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコム様では、ECサイトのスマホアプリ化により、売上の比率が3年で300万DL突破、年商51億円のうちアプリの売上比率65%を超えるなど、Webサイトとの売上比率が逆転しました。
その後も他社プラットフォームに集客を依存しない健全な成長が実現できています。
Google Flutterでスマホアプリ化をするメリット
ノーコードツールやSaaSでもECサイトのスマホアプリ化はできます。
しかしながら、そういったツールでスマホアプリを作ってしまうと、特定の会社でしか機能開発できないベンダーロックインがかかり、せっかく他社プラットフォームに依存しないためにスマホアプリを作ったのに、特定の会社のプラットフォームに依存することになってしまいます。
そのため、わたしたちの会社ではGoogle FlutterとFirebaseという比較的オープンな技術を用いてShopifyでできたECサイトをスマートフォンアプリ化する方法をおすすめしています。
Google Flutterとは
Google Flutter(フラッター)は、Googleが開発したオープンソースのツールで、一つの言語でiOS、Android、Web、デスクトップアプリを書き出し可能なクロスプラットフォームの開発ツールです。
個別にiOSアプリとAndroidアプリを作る場合に比べて、低コストで開発が可能で、作ったアプリはAppleのApp Store、GoogleのPlayストアなどで配信することができます。
Firebaseとは?
Firebase(ファイアベース)も、Googleが提供するサービスで、開発者がバックエンドを自前で構築する手間を省き、アプリ開発に集中できるようにする各種サービスを提供しています。
ECサイトのスマホアプリ化という文脈では、ユーザー行動の分析ツールとAndroid/iOSアプリに対してプッシュ通知する機能をメインに使っています。
料金体系は「Spark Plan(無料)」から始まり、使用量に応じて「Blaze Plan(従量課金制)」に移行できます。多くの機能が一定の無料枠を持っており、小規模なアプリや開発初期段階では完全無料で使えることが多いです。
Firebase は特に Flutter と相性が良く、公式のプラグインやドキュメントが充実しており、モバイルアプリ開発のバックエンド処理を大幅に簡素化でき低コストなバックエンドの開発が可能になっています。
実装アプローチ
自社サービスyori.so gallery & labelも上記の構成でスマホアプリ化しました。
実装方法には工数がかかる代わりにネイティブアプリと密接に結合してShopifyのAPIと統合して様々な機能を実装できるようにするアプローチと、
いわゆる「ガワネイティブ」と呼ばれる、工数があまりかからないECサイトのWebページをアプリ内で読み込むスタイルの実装アプローチがあります。
今回は、プッシュ通知と分析機能をつけることが主目的でしたので、後者のアプローチをとりました。
最後に:他社のプラットフォームに左右されず、お客さんと繋がりたい
もともとアプリというのはロイヤリティの高い顧客がダウンロードするものなので単純な比較はできないのですが、自社のサービスでも、メルマガやLineに比べてアプリの開封率の方が高いというデータが確認できました。
アプリを作ること自体は構築コストがかかるものですが、広告などに比べて最初は大変だけど、費用をかけるのをやめてしまうと効果もなくなってしまう広告と違い、資産として積み上がっていく販売チャネルです。
自転車も漕ぎ始めは大変だけど軌道にのると楽なように、「やればやるほど、資産が積み上がっていって将来の自分が楽になる」、いわゆる蓄積と複利がチャネルなので、長い目で見て非常に費用対効果の高い投資であると考えています。
わたしたちの会社では、このようなFlutter/FierebaseによるECサイトのスマホアプリ化の仕事も受けたまわっておりますので、ご興味のある方は、こちらよりお問い合わせください。