これ一つで集客からお客さんサポートまで! Webマーケティング支援ツールHubSpotのご紹介

こんにちは。エンジニアの川島です。
先日から、弊社ではマーケティング支援ツールであるHubSpot(Starterプラン)の利用をはじめました。
HubSpotの特徴と機能、導入して感じた実務上のメリットとデメリット、導入前に知りたかったことを、まとめてお伝えします:)

HubSpotとは

HubSpotとは、web上のマーケティングプロセス(集客・接客・追客)をワンストップで行うことができるwebサービスです。
インバウンドマーケティング*の支援に特化したツールなので、オウンドメディアやSNSでコンテンツを発信している企業であれば、よりHubSpotを活用することができます。

※インバウンドマーケティング
顧客にとって有意義なコンテンツを発信することによって、自社の存在を知らせ、顧客に訪問してもらうことを目指すマーケティングの手法。HubSpotの公式サイトでも解説されています

HubSpotの特徴

先日Adobeによる買収が発表されたMarketoなど、マーケティング支援ツールは数多く存在します。
私たちが導入したHubSpotは、他のツールと比較して、以下のような特徴を持っています。

  • インバウンドマーケティングに特化している
  • 管理画面のデザインが見やすく、使いやすい
  • webマーケティングプロセスに必要なツールが全て揃っている
  • マーケティング施策の型が整っているため、業務の標準化に繋がる

一番の特徴は、webマーケティングに必要な機能がひととおりHubSpot上に揃っていることです。
たとえば営業とカスタマーサポートで異なるマーケティング支援サービスを利用していた場合、データ同期には手間が掛かり、連携は難しくなります。学習コストも多く発生するでしょう。
その点、HubSpotであれば、集客・接客・追客の各工程をHubSpot上で完結させることができます。
マーケティング施策の基本どおりに進めてゆくことができるので、webマーケティング初心者にも利用しやすくなっています。

HubSpotの主な機能

HubSpotは、顧客との関係変化に沿った、以下四つのソフトウェアから構成されています。

  • Marketing Hub:MA(Marketing Automation、マーケティング自動化)ツール
  • Sales Hub:SFA(Sales Force Automation、営業支援)ツール
  • Service Hub:カスタマーサービス支援ツール
  • HubSpot CRM:CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)ツール

横文字がいっぱいでクラクラしてきますね笑。聞き慣れない言葉が多いですが、顧客との関係が深まってゆく一連の流れに沿ったツールである、と考えるとわかりやすくなります。(後述する用語解説も併せてどうぞ
顧客を集め(マーケティング)、成約をサポートし(セールス)、良好な関係を維持する(カスタマーサービスおよび顧客関係管理)……それぞれの段階で必要となる機能が、上記四つのソフトウェアにまとまっています。
料金プランはソフトウェアごとに存在するため、必要なものだけを選んで契約することもできます。

各ソフトウェアの主な機能は以下のとおりです。

  • Web上での集客支援
    Marketing Hubが得意とする領域です。
    SEOやSNS管理、フォーム、コンテンツ最適化といった機能が揃っています。
  • Web上での接客支援
    toB向けの営業支援ツールであるSales Hub、およびtoC向けの販売支援ツールService Hubが得意とする領域です。
    前者には商談・取引の可視化、後者には問い合わせのチケット管理・FAQ作成といった機能が備わっています。
  • web上での追客支援および顧客データの管理
    HubSpot CRMが得意とする領域です。
    顧客のデータを自動的に管理することで、集客・接客・追客の施策を効率化し、生産性を高めます。
    たとえば、web上の行動から、成約以前の顧客がどれくらい商品やサービスを気に入っているかを分析したり、分析内容に基づいてより成約確度の高い顧客に宛てた施策を行うことが可能になります。
    また、顧客とのやりとりもデータとして可視化されるため、案件の属人化を防ぎ、チーム全体で顧客をサポートする体制を作ることができます。

HubSpotの料金プラン

HubSpot CRMは完全無料ですが、他のソフトウェアに関しては、それぞれ以下の料金プランが存在します。

  • Free(無料。機能は大きく制限される)
  • Starter(月額6,000円〜。基本的な機能が利用できる)
  • Professional(月額48,000円〜、Marketing Hubは月額96,000円〜)
  • Enterprise(月額144,000円〜、Marketing Hubは月額288,000円〜)

※2018年10月時点での情報です。Basicプランは9月からProfessionalプランに統合されたとのこと

各プランで利用できる機能の違いは、HubSpot公式サイトの価格表および製品情報をご参照ください。

用語解説:MA・SFA・CRM

HubSpotの話から少々外れますが、マーケティング用語であるMA・SFA・CRMについて簡単に説明します。(大丈夫、という方はこちらをクリックして飛ばしてください

MA:マーケティングオートメーション

マーケティングオートメーション(Marketing Automation)は、マーケティング上のルーチンワークをツールによって自動化する仕組みです。
ルーチンワークの例としては、見込み顧客のリスト作成、webサイト訪問者の行動可視化、ECサイトの購入追従メール(カート内商品のリマインドや、関連商品のお知らせ)送付など、主に管理・測定・運用といった作業が挙げられます。とはいえ、もしこれらすべてを人力で行おうとすれば、莫大な労力が掛かるだけではなく、必ずミスが発生するでしょう。
そこで、自動化できるものはMAツールに任せ、人は人にしかできないもの——キャンペーンの企画や、マーケティングのシナリオ作りなど——に注力しよう、というのがMAの大まかな考え方です。
HubSpotの中では、Marketing HubがこちらのMAツールにあたります。

SFA:セールスフォースオートメーション

セールスフォースオートメーション(Sales Force Automation)は、営業部隊(Sales Force)の活動をツールによって効率化する仕組みです。営業支援システムとも訳されます。
営業チームのメンバーが行うそれぞれの営業活動を、システムに記録&共有することで可視化しようというのがSFAの考え方です。
属人化しがちなノウハウをチーム全体で活かすことができるようになる他、取引や商談の状況が分かりやすくため、抜け漏れや引き継ぎに伴うトラブルを防ぎやすくなります。また、記録された営業活動を元に、売上予測や分析も行われます。
HubSpotの中では、Sales HubがこちらのSFAツールにあたります。
なお、Service HubはtoC向けのSFAツールに近く、顧客サポートの活動をツールによって効率化・可視化することができます。

CRM:顧客関係管理

長いので漢字で……CRM、顧客関係管理(Customer Relationship Management)は、顧客とのより良好な関係を築くための、マーケティング手法です。
従来、マーケティングの規模が大きくなれば、それはマスマーケティングとして、客層全体に幅広く同じ内容の訴求を行うことしかできませんでした。
それを、テクノロジーの力を用いて、顧客一人ひとりの行動や属性をミクロに捉え、その人に合った形で訴求を行おうというのがCRMの考え方です。
ここまで紹介してきたMA、SFA、SAは、CRMを実現するためのテクノロジーでもあります。
また、CRMでは顧客の獲得だけでなく、維持も大きな目的となります。顧客と持続的な関係を築き、リピーターやファンとなってくれるように、一人ひとりに沿ったマーケティングを行うための仕組みを提供するCRMツールが多く存在します。
HubSpotの中では、HubSpot CRMがこちらのCRMツールにあたり、各ツールを繋ぐ根幹を成しています。

HubSpot (Marketing Hub)Starterプランを導入して感じていること

私たちは、HubSpot CRMと、Marketing HubのStarterプランを組み合わせて利用しています。
HubSpotを導入して、実務の中で感じたことは下記のとおりです。

実務上のメリット、便利だったこと

Marketing Hub:フォームの導入(埋め込みフォーム・リードフローフォーム)

Marketing Hubには、さまざまなフォームを作成して、外部サイトに埋めこむことができる機能があります。ノンスタでは、コンタクトページの問い合わせフォームと、各ページへのスライドイン型リードフローフォーム(問い合わせ資料のダウンロードリンク)を利用しています。

※注:これらのフォームはMarketing Hubで提供されている機能ですが、無料のHubSpot CRMでも簡易版を利用することができます。無料プランの場合は、HubSpotのロゴが表示されます。

いずれもHTMLコーディングの必要がなく、簡単に導入できるため、とても重宝します。
ただ、これだけならば、WordPressなどのフォームプラグインでも同じことができるでしょう。
HubSpotの強みは、フォームと、顧客管理機能を組みあわせることができる点にあります。

Marketing Hub×HubSpot CRM:コンタクト情報の追跡と統合

HubSpotのフォーム経由で始まったやりとりは、HubSpot CRMのコンタクト機能で管理することができます。

画像引用元:HubSpot公式サイト https://www.hubspot.jp/products/crm/contact-management

おおよその場合、フォームのデータベースには、フォーム経由で送られた最初のメッセージしか保存されません。問い合わせに対して返信されたメールや、長いメールスレッドの発端となった問い合わせは、自力で見つけだす必要があります。なかなか大変な作業です。また、メンバーの入れ替わりがあった場合などは特に、適切な引き継ぎがされていなければ、やりとりを見失ってしまうこともありえます。

その点、HubSpot CRMは、GmailやOutlookといったメールクライアントと同期することができるので、フォーム経由の問い合わせに対して返信されたメールを自動追跡します。問い合わせ後の一連の流れはHubSpot上で確認することができ、メール転送やCC宛先への追加を依頼する必要もありません。これは使っていてかなり嬉しいです:)

HubSpot CRM:ユーザーの行動可視化

また、ユーザーの動きを1to1で個別に確認できるアナリティクスの機能もあります。

画像引用元:HubSpot公式サイト https://www.hubspot.jp/products/crm

Google Analyticsはサイト全体のアクセス動向を把握できますが、HubSpotの場合は、コンタクトがあったユーザーのアクティビティ(どんなページを閲覧しているか)や、送付メールをいつ開封したか、こちらにどれくらいの関心を持っているか等を確認することができます。

実務上のデメリット、不便に感じていること

これはHubSpotのプラン次第のところもあるのですが、Starterプランを利用していて不便に感じる点は以下のとおりです。

外部サイトに埋めこむ場合、フォームのデザインカスタマイズができない

Marketing HubのStarterプランでは、CSSを用いたフォームのカスタマイズができません。(※フォントやボタンの色のみ変更できます。リードフォームは背景色を変更できます)
フォーム部分のみwebサイトのデザイントーンから外れてしまうことになりますが、埋めこみフォームのCSSカスタマイズを行うにはMarketing HubのProfessionalプラン(2018年10月現在の料金体系では、年150万円〜)への移行が必要です。Professionalプラン以上であれば、Form APIを用いたカスタマイズも可能となります。

フォームの確認画面がない

コーポレートサイトなどでよく見られるフォームの構成に、送信前の確認画面があります。これから送信される情報がユーザーに提示され、修正が必要なら入力画面に戻ることができるというものです。
HubSpotでは、確認画面の表示機能はありません。フォーム送信完了後にサンクスメッセージを表示したり、別ページにリダイレクトしたりすることはできますが、確認画面が必要な場合は、別の方法を検討した方がよいと思います。

HubSpotの導入方法

HubSpot導入後、外部のwebサイトでHubSpotの機能を利用する場合、全ページにHubSpotトラッキングコードを組みこむ作業が必要になります。
こちらのコードを組みこんでいない場合、ユーザーの行動データを確認することはできません。

HubSpot導入にあたっての留意点

マーケティング支援サービス全般に言えることではありますが、HubSpotの利用にあたっては、以下の点も留意が必要です。

価格面

HubSpotには月額6,000円〜のStarterプランが存在するものの、完全な機能を利用するには月額あたり数万円以上の費用が必要です。
この辺りは導入先の規模によって予算が大きく変わる箇所かと思いますが、有料プランの内容をトライアルすることも可能なので、事前に、必要な機能がどのプランから利用可能になるのか確認するのが良いかと思います。

セキュリティ面のリスク

さまざまなデータをHubSpotに連携する以上、セキュリティ面のリスクは存在します。
ただ、HubSpot側でも安全性を確保するさまざまな取り組みが行われているようです。
対策内容の詳細は、こちらの公式ドキュメントにて説明されています。

運用担当者をアサインできるか

WordPressのようなCMSとは異なり、アップデートなどの運用作業が導入側で発生することはありませんが、HubSpotを誰が活用するのか、ということは決めておいた方が良いでしょう。HubSpotは業務の自動化やデータ計測を行なってはくれますが、それらを活用できなければ、導入の効果は薄くなってしまいます。

おわりに

HubSpotを導入するまで、エンジニアである私がwebマーケティングを意識する機会は殆どありませんでした。
問い合わせから始まったやりとりの様子や、コンタクト数の推移、webサイトを訪れる方の一人一人がどんなページに関心を持っているのか——いずれも、以前の私には知ることができなかったものです。
HubSpotでチーム全体に可視化されたこれらの情報を見ることによって、今までよりも広い視野で、自社サイトの改善にも取り組めるようになったように思います。

本記事が、HubSpotを導入した方、導入を検討している方の一助になればさいわいです:)