預金利息が1%を切る時代に実質利回りは15%!iDeCo(イデコ)はどんな金融商品より最高の貯金方法〜小さな会社や個人で働く人のための老後の備えの作り方3

私達の会社では、すぐ使えるけれどすぐ陳腐化するような知識ではなく、長い職業人生の礎をつくるような知識を身につけるための社内研修をやっています。
2月のテーマは「小さな会社や個人で働くため人のための自分年金の作り方」。
老後にかかるお金と若いうちからの効果的な備え方について、お金の専門家から学んだ会の書き起こしをお送りします。

ゲスト講師

株式会社プラスグラフ 
代表取締役 福島 隆嗣

1976年大阪府生まれ。2000年大阪芸術大学芸術学部卒業。
会計事務所、広告制作会社を経て、2007年に株式会社プラスグラフ( +graph.co.,ltd. )を設立。スモールカンパニーの顧問やベンチャー企業の社外取締役など、財務責任者として多様なクライアントのマネジメントを支援する。クリエイターをはじめ、酒造会社などのものづくりカンパニー、フードビジネスに関わるクライアント中心に支援を行う。


(前回からの続きです。)

日本の年金は3階建て

高崎(代表)

ここからが本題なんですが、その動かせる貯金で、給料の半年分ぐらい貯金できたら、次に動かせない貯金をつくることに着手して欲しいと思っています。老後まで一切引き出さないと決めてしまう貯金。日本の年金や控除について、皆さんがどれくらい理解しているかが分からないので、いったん全部悦明します。

日本の年金は3階建てと呼ばれています。1階建ての1階部分が国民年金。国民全員が強制的に入るものですね。自営業の方、フリーランスの方、専業主婦の方は、この3階建ての1階部分、国民年金にのみ入っています。

次に3階建ての2階部分。これは厚生年金と呼ばれるもので、サラリーマンの方は強制的に加入しています。ノンスタも含め、多くの中小零細企業に勤める正社員、契約社員の方は、ここまで入っています。

3階建ての3階部分ですが、大企業や勢いのあるベンチャーは、ここを独自に用意していて、それが企業年金とか、401kと呼ばれるものです。

弊社の社員がもらえるのは、3階建ての2階部分まで。最初に説明しましたが、平均月15万ぐらいもらえるイメージかなと。そこで、3階建ての3階の部分を、自分でつくることに挑戦したらいいんじゃないかというのが、今回動かせない貯金をつくろうと言っている理由です。なぜ、若いうちから動かせない貯金をつくるべきなのでしょう。

若いうちからお金を運用し、複利でお金を増やす

今出ているのが、お金を単純に貯金するだけでなく、金融商品を購入して運用した場合、どれぐらい貯まるかというグラフです。上にあるオレンジの線が運用した場合、下の青い線が単純に貯金だけした場合のグラフだと思ってください。

5年ぐらいまではそんなに差が出ませんが、20年経つとかなり差が開いてきて、30年後には圧倒的な差が出ている。オレンジの線が1500万円なのに比べて、青い線は500万円にも達していません。オレンジの線が、動かせない貯金をつくって、正しく運用した場合だと思ってください。20年だと運用のパワーがまだ発揮されなくて、30年ぐらい運用するとかなりパワーが発揮されることだけ、この時点では理解してもらえれば大丈夫です。

仮に65歳で引退すると考えると、逆算して35歳くらいから運用を始めておかないと、運用のパワーが充分に発揮できず、弊社の一番上の社員はもう35歳くらいになっているので、今、説明しておいた方がいいと思ったんですね。10年というスパンで運用してもお金はそんなに増えないけど、30年というスパンで運用すると全然違う、ということです。

正しく運用すれば、資産が「雪だるま式に」増える。複利と単利の違い

上の線を複利、下の線を単利、と呼びます。ドラマなどで「借金が雪だるま式に膨らむ」という言葉を聞いたことがあると思います。なぜそうなるかというと、例えば100万円を運用し、次の年に利子が付いて101万円になったとします。その101万円をまた次の年につぎ込んで運用すると、どんどん雪だるま式にお金、数字が増えていくんですね。それを複利、と呼んでいます。

単利の場合はどうでしょうか。100万円を銀行に預けて、101万円になったとします。その101万のうち、利子部分は使ってしまって、元本の100万円のみを再投資して運用した結果を、単利といいます。お金を運用することのメリットは、グラフにあるように複利効果で、雪だるま式に金額を膨らませることができることです。

結論としては、若いうちから自分自身だけではなく、お金を運用してお金に働いてもらおうということです。本当に、30年経てば全然違うというのが、分かっていただけると思います。

自分年金をつくるための国の施策、iDeCoを活用

運用といっても、何をしていいか分からないかもしれません。そこで、3階建ての3階部分を自分でつくるというコンセプトのもとに、まずこれをやったらどうか、というのが、国の自分年金をつくるための施策、iDeCo(イデコ)です。老後に向けて動かせない貯金をつくる気があるのであれば、これをやらない理由はないので、具体的な説明に関しては、福島さんからしていただきます。

福島さん

はい、よろしくお願いします。高崎さんから説明があったとおり、3階建ての3階部分。皆さん、自分で勝手にやってくださいというもので、誰かが用意してくれるものではないです。これまで、3階建ての3階部分は、企業が積み立ててくれる、企業型年金が主流だったんですが、このiDeCoは、個人で積み立てる、個人型年金と言われるものです。退職金を自分で積み立てよう、というのが、そもそもの概念なんですね。

2番、加入できる人ですが、20歳から60歳までの、ほぼ全ての国民が加入できます。実は今までは、一部の人しか加入できませんでしたが、2017年からほとんどの人が加入できるようになりました。それで、一気に広まった制度です。

3番目。自分で積み立てて、60歳以降に年金または一時金で受け取れる。どちらか選択できます。一時金として、退職金のように一括でもらう場合もあれば、年金として、毎年もらうことも可能です。この場合は、10年でもらっていく形になります。

そして4番目、掛金とありますが、毎月5,000円からです。5,000円から1,200円単位で、2万3,000円まで掛けることができますので、年額にすると6万円から27万6,000円まで、自分の好きな金額を設定することができます。ちなみにこの金額は、年間で27万払うのがしんどいと思ったら、6万円に切り替える、といったことも可能なので、この範囲の中で、自分の好きな金額を設定して積み立てます。

5番目。これが特徴的なところで、年金と大きく違うところです。自分で運用方法を指図でき、運用益を受け取れる。運用という言葉が出てきましたが、例えば、金融機関の商品を選ぶようなことです。ファンドマネージャーのような人がいて、その人に託してお金を運用してもらいます。利益が出れば、プラスになる場合もありますし、もちろん、その逆にマイナスになるときもあるものです。

商品を自分で選ぶ、というところが、年金とは違うところだと思います。ただ、どうしても損をしたくないという人もいますよね。その場合は、元本保証のようなものを選んでもらえばいいと思います。必ずマイナスにはならない商品もありますので、この辺りを、好きなように選んでください。

預金利息が1%を切る時代に実質利回りは15%!iDeCoで得られる節税効果

最後の6番。積立金額が全額所得控除。運用益の非課税、受け取り時の公的年金控除。ちょっと聞きなれない言葉ですね。ここが一番特徴的な部分なのですが、節税効果がとても強いんです。

皆さん、所得税や住民税を払っていますよね。税金というのは、給料から引かれているようなもので、年収ベースで、稼いだ金額に応じて取られています。iDeCoの場合は、例えば年間マックスで27万6,000円を積み立てたら、年収からこの積み立てた分、収入がなかったようなことにしてもらえるので、その分税金が全部還付されます。

これはすごく大きなメリットで、皆さんの年収にもよりますが、大体私達は毎年5%から30%の税金を払っているんです。税金といってもさまざまですが、トータルすると、それくらいは払っていることになります。仮に平均15%としましょう。27万6,000円を毎年積み立てていくと、その15%に当たる約5万円は、還付されるということです。

いわゆる利回りで計算すると、利回りが15%、20%という数字。これは、なかなかあり得ない数字なんです。例えば預金の利息は0.002%など、ほとんど付かないようなものなので、iDeCoの15%は、とんでもない運用の利率と言えるでしょう。この税金控除のメリットは、とても大きいです。

iDeCoを利用する時の注意点

はい。では、先に進みましょう。2段目のiDeCoを利用する前に注意するポイント2つ。これ、すごく大事なところです。60歳まで解約ができません。ですので、一度積み立て始めたお金をもらうのは、最終的には60歳を超えてからになります。

安易には動かせない貯金になりますので、動かせる貯金をきちんとしてから、こちらの方に入ってきた方がいいと思います。もちろん、月々5,000円から2万3,000円までの間で、掛け金の変更は可能なので、自分の経済状況によって変えてもらっても大丈夫です。

もう一つが、口座開設と維持に意外と手数料がかかる、ということです。金融機関によって変わりますが、口座開設時に2,800円程度必要になります。年間の口座管理手数料は1,300円ぐらい。それと、資産管理手数料というものがあり、これも800円ぐらいなので、最低でも年間約2,000円を、維持費の目安として見てもらえばいいと思います。

ただし、積み立てる金額が50万円以上になった場合など、一定の金額以上になると、手数料が無料になる機関もありますので、色んなところを比較して、検討してください。

お金の運用方法を選ぶ

佐藤(アイス大好きアートディレクター)

運用方法を指図できるということですが、例えばどういうものが選べるんですか。

色んな金融機関があって、50商品ぐらいあります。まず、元本を減らしたくないか、積極的に増やしていく運用を選ぶかという、大きく2つに分かれると思うんですよ。元本を保証するタイプは、定期預金のようなイメージですかね。もう一つは、積極的に運用していくという商品。それも自分の意思で指図できます。例えば1万円を毎月積み立てる場合、その内3,000円は定期預金に近い、元本保証で運用し、残り7,000円は積極的に運用する、という選択肢もあります。

金融商品って何だろう?

その話に関連して、次のスライドに行きますね。これからiDeCoで運用指図をするための金融商品の基本知識について、解説したいと思います。

先ほどのグラフで見たけど、適切にリスクを伴って運用した場合、30年ぐらいするとちょっと差が出てくる。リスクと言っても色んなリスクがあるので、主だった金融商品について、ざっくり説明したいと思います。

先ほどから金融商品と言っているけれども、金融商品とはお金でお金を増やす商品やサービスのことで、基本的には、お金を貸すか、投資するか。この2種類のどちらか、あるいはその組み合わせですね。

投資信託、株、海外債券、国内債券など色々ありますが、お金を貸しているか、投資しているかのどちらかです。たとえば銀行にお金を預けるのも、実は金融商品を買っているということになるかもしれません。みなさんが銀行にお金を貸していることになりますね。銀行は皆さんから受け取ったお金を、日本国の国債を買ったりするのに使う。

お金を投資するというのは、例えば株ですね。儲かりそうな会社に、株式という形でお金を入れて、その会社が大きくなったときに、上場、あるいは他の会社に売却されたりすることで、利益を得る行為です。

主な金融商品と、そのリスクについて

代表的な金融商品とリスクを、ざっくりこのスライドにまとめました。

預金が最もリスクが低くて、銀行に1万円預けたら、0.0何パーセントの利率かもしれないけど、減ることはあり得ないものですね。それが元本保証型の商品で、このスライドにある、預金以外のものに関しては、元本が減る可能性があります。その代わり、利率は、1%、5%、10%、100%と、ものすごく増える可能性もある商品です。

ここに上げた順で、恐らくリスクが高くなるのかなと。投資信託、株式、債券、先物取引、FX、ビットコイン。上から下にいくにつれて、リスクが高くなります。FX、ビットコインぐらいになると、ほぼギャンブルだと思って買ってもらえればいいかなと。

簡単に内容を説明すると、投資信託というのが、分散投資と言って、リスクを軽減するために色んな所に分散したり、商品をコンビネーションさせるもの。元本は保証されないけど、割とローリスク・ローリターンと言われている商品です。簡単に減らない代わりに、ものすごく増えることもない。ただ、定期預金よりは利回りがいい可能性が高い商品ですね。

株式、債券は、株式が投資、債権が借金。お金を貸すので、投資信託よりはリスクが高いけど、その代わりうまくいったときに返ってくるお金が大きい商品です。先物取引やFX、ビットコインに関しては、お金が余っていて、ギャンブルしたいな、ぐらいの気分のときにやってもらえばいいかなと思います。

投資信託で運用するメリット

完全に元本を保証された預金だけでお金を持ち続けるよりは、多少投資信託を買った方が複利効果はあるなと思っていて、たとえば僕は、THEOというところで、今年の8月から投信のようなものを買っています。8月から毎月1万円を入れて、5カ月たったときに、約5万1,500円になってるんですね。普通に預金した場合、5カ月で5万円が5万1,500円になることなんてないと思うんですけど、投信を買うと、割とこういうことがあります。それに、長期的な期間で見ればそんなに元本が減ることもありません。

リーマンショックみたいなことが起きれば、一時的に減ることもあるけど、世界経済は、長い目で見るとずっと右肩上がりで成長しているので、うまく投資のリスクを分散させて、世界経済と連動していれば損することはあまりないですね。短期的に見て上がった下がった、ということはあるけど、世界全体の大きな時間軸で見ると、投信信託は世界経済の成長と連動するはずなので、簡単に減らない。

これが投信のいいところだと思います。本当にリスクを取りたくない人は預金にしてもいいですが、もう少しリスクを負っても、老後の備えはできるのかなと。もちろん、株式や債券をやる前にちゃんと、基本的な知識は身に付けるべきですが。投信は、短期で売り買いすると損する場合もありますが、長期で放っておけば、そんなに損する商品ではないと思っています。僕の個人的な解釈も結構含まれているので、この辺でまた福島さんに代わります。

お金を運用するメリットとデメリット

さっきのiDeCoでいうと、預金と投資信託、この2つの運用を指図できます。元本を保証する預金と、信用して託す投資信託と。投資信託をした後は、その人たちは株式や不動産を買っているかもしれない。先のことまで指定はできませんが、一度その画面を覗くと、どのような運用になるかが書いてあったりするので、すごく分かりやすかったりします。

そこから先の株式とかは……どうなんでしょうね。ちなみに僕は、この株式より下はほとんど向いていなかったです。お恥ずかしい話、一喜一憂してしまうので、ある日から全くやらなくなりました。

賢い貯金と運用で、自分年金をつくる

まとめとしては、引退する30年前ぐらいから、賢い貯金と運用を考えようということ。それから、ふるさと納税とiDeCoは、やらない理由があんまりないものだなっていうのと。

あと、これは個人的な意見なんですが、とにかく元本が保証されてなきゃ嫌だっていうよりは、少しリスクをかけて、投信なんかを目先の利益に一喜一憂せず長期でもっておくと、複利効果で、30年後にお金が雪だるま式に増えるんじゃないかというのが、今日の話のまとめになります。

ぜひ帰ったら、動かせる貯金をつくる方が、プライオリティとしては高いんですけど、その段階をクリアした方は、ぜひふるさと納税、iDeCoを、始めてもらえたらなと思います。

本日のお話はこれでおしまいになります。ありがとうございました。