書くことへの「恐れ」と仲良くするには?ブログのための文章講座

私たちの会社では、定期的に社内勉強会を開いています。先日のテーマは「ブログのための文章講座」。講師は、小説家としても活動をしている、当社のエンジニア川島です。

中学生の頃から文章を書き続けてきた川島が、自身の経験を元に、主にブログの文章を書く時にぶつかりやすい壁の乗り越え方について教えてくれました。

文章を書くことに苦手意識がある方にとって有用な学びが詰まっているので、早速まとめた内容をお届けします。

はじめに~グッバイ!根性論

「スラスラ書けない。上手く書けない」「なんかもう、書くことが恐い」。立ちすくんでしまったり、うんざりしたり、はたまた後回しにしてしまったり。みなさんも身に覚えがありませんか?

前提として、書くことが恐いのは、悪いことではありません。それは書くことの仕様と言ってもいい。それに、恐れには、言葉の扱いを丁寧にしてくれるという良い面もあります。

とはいえ、それはそれとして、書かなければいけないものはたくさんある。書くことへの恐れと仲良くするには、どうすればいいのか?その答えは、書き続けるしかありません。ただそれが難しいもの。根性論で書けたら誰も苦労はしませんよね。

そこで具体的にどんなことをやっていけばいいのかをお話していきます。いざ、本編!

挫折せずに最後まで書く工夫

どんな長さの記事であっても、最初から文章の形で書こうとせずに階段をきちんと作って書くことが効果的です。

書くための階段は、以下の3つのステップを踏んでいきます。

  1. 思考を箇条書きする
  2. 宛先を想像する
  3. 取捨選択をする

ステップ1.思考を箇条書きにする

まずは、書きたいものや思考を箇条書きにしていきます。例として、以前川島が書いたXDの記事の初稿を見せてもらいました。

口調は独り言でもよく、文章である必要もありません。これを書いてみたい、これってなんだろうといった疑問、答えが出てないものも書いてしまいます。

一番大事なのは、この段階で書いてはいけないものはない、ということです。これから書きたいものをみつける作業なので、脱線してもよいので、頭の中を全て書いてしまいましょう。

    • この段階で書いていけないものはない。
    • 独り言も、祇園も、躊躇いも書いて良い。
    • 関係なさそうなアイデアも脱線も書いて良い。
    • 全部、何でも、どのように書いても良い。

ステップ2.宛先を想像する

前段階でたくさんのことを考えましたね。ただ、全部を書いてしまうと膨大になってしまうので、次に絞り込みを行っていきます。

絞り込みの助けになるのは、この文章を読んで一番喜んでくれそうな人は誰か?を考えてみることです。読者やユーザーを想像しながら読んでもらいたい人が決まったら、そこから逆算をして、箇条書きの中身を見直していきます。

ステップ3.取捨選択をする

ステップ2で想像した読者にとって、どの情報が役に立つか、不要な情報は何かを考えて、文章に含める内容を絞り込んでいきます。取捨選択がうまくできないと感じた時は、簡易的な目次を作って流れを考えるのも良いでしょう。

ここまでの手順を踏んでいくと、何を書けばいいかわからないという状態から、「書けそうな気がする!」と思える段階まで自分を持ってゆくことができます。(はじめから書きたいものがはっきりしている場合は、これらの手順は省いても大丈夫です)

読みやすい構成の型

文章の設計図はできました。次に、読みやすい文章を書く時に助けとなる「構成の型」についてお話します。型はいろいろありますが、ブログに向いている型と長文に向いてる型の2種類を今回はご説明します。

その1:ブログ型

1つ目は、川島が名付けた「ブログ型」と呼ばれるもの。内容は以下のとおりです。

◎文字数

800~2000字

◎構成

序文(共感あるいは疑問の提示)
本文(小見出し3つ分ほど)
結び(序文の再確認)

◎メリット

・読み慣れた形である
・速く・安定して書ける
・量産しやすい

◎デメリット

・同型の記事に埋もれやすい
・長文は読みづらい
・複雑な構成は扱いづらい

― 例 ―

ウェブ上でよくみかけるこの型は、序文・本文・結びの3つの段階で構成されています。短めのFAQやハウツー、コラムなど、実用的な記事に適しています。

その2:長文型

2つ目は「長文型」です。内容は以下のとおりです。

◎文字数

2000~30000字

◎構成

導入(共感あるいは疑問の提示)
概要と結論(始めに述べる)
結論の理由1,2(具体的に)
結び(結論の再確認)
注釈と謝辞(必要なら)

◎メリット

・長文でも読みやすい
・読み手のミスマッチを防ぐ
・意見が論理的に纏まる

◎デメリット

・書くときの労力が大きい
・冗長になりやすい
・硬い印象を与える

― 例 ―

ブログ型と違って、3万字くらいまで対応できるこの型は、概要の理由や意見を論理的にまとめることができ、説得力をもたせやすいと思います。疑問や意見の提起を含む、複雑な構成の記事に向く形です。また、始めに概要と結論を述べることで、読者と記事のミスマッチも防ぎやすくなります。

今回は2つの型をご紹介しましたが、他にも起承転結などいろんな型があります。ここで大事なことは、型は「書きやすく、読みやすく感じる書き方」の集合知であり、「このように書くべき」という枷(かせ)ではないということです。自分の文章に合った型や、書きたい文章に合いそうな型を自由に選んで良いのです。

ここまでのまとめ

最後まで書くための階段を作り、読みやすい文章を作る型の力を借りて、「書けそうな気がする」ところまできたら、あとは一気に書くことをおすすめします。あんまり間を開けてしまうと、また階段からやり直したくなってしまうので、間隔をあけずに書いてしまう方が、最終的には楽でもあり、効果的です。

書き終わった後の仕上げ

書き終えた後、やるべき大事なこと。それは「まず自分を褒め称えること」です。

書き終わった直後に「だめだ、もっと直さなきゃ」などと考えるのは苦しいですし、書くことが嫌になってしまいます。いやいや、よく頑張った、とまずは褒めておきましょう。

推敲は、文章をもっと読みやすくするための作業です。推敲しないことに罪悪感を覚える必要はないのですが、もし余力があればぜひやってみましょう。文章の伝わりやすさが大きく変わります。

もっと読みやすい文章のために、できること

推敲に関しては、本屋さんに行けば具体的な内容をまとめた書籍がたくさん並んでいるので、今回は簡単に以下にまとめます。

  1. 流れの整理(脱線している文章はないか?全体の流れのどこかに違和感はないか?)
  2. 文章の最適化(一文が長すぎないか?語順は明快か?修飾語の距離は適切か?)
  3. 表現の見直し(まどろっこしい副詞や形容詞、感情的すぎる文章はないか?)
  4. 重複を省く(同じことを何度も言ってないか?その一文は本当に必要か?)
  5. 誤字脱字を見直す(1~4をしていればだいたい気づきますが、日を置いて見返すと吉です)

参照:驚くほど違う→あなたの文章を最適化するたった4つのルール

ここまでやったらついに完成です!

おわりに

最後はおまけということで、川島が書く時に大事にしている心得や、一人の書き手として「こうありたい」という姿について話してくれました。

中でも印象に残ったのは「文章は人を助ける力をもっているけれど、誰かを傷つける可能性が常にあることを忘れてはいけない」という話。

例えば「長女だからうまくいかない」といった自虐の表現は、自分に近しい性質をもつ誰かを道連れにして打ちのめしていることになるのだと。よかれ、と思って書いていても、気づかぬところで文章が凶器になっている可能性があるという負の側面について、文章を簡単に発信できる時代だからこそ、忘れずにいたいものですね。


「ブログのための文章講座」いかがでしたでしょうか。社内勉強会のシェアは、今後も続けていきたいと思っています。よかったら感想をお聞かせくださいね。