
ふるさと納税で、苦にならない節約を!〜小さな会社や個人で働く人のための老後の備えの作り方2
2月のテーマは「小さな会社や個人で働く人のための自分年金の作り方」。
老後にかかるお金と若いうちからの効果的な備え方について、お金の専門家から学んだ会の書き起こしをお送りします。
ゲスト講師

株式会社プラスグラフ
代表取締役 福島 隆嗣
1976年大阪府生まれ。2000年大阪芸術大学芸術学部卒業。
会計事務所、広告制作会社を経て、2007年に株式会社プラスグラフ( +graph.co.,ltd. )を設立。スモールカンパニーの顧問やベンチャー企業の社外取締役など、財務責任者として多様なクライアントのマネジメントを支援する。クリエイターをはじめ、酒造会社などのものづくりカンパニー、フードビジネスに関わるクライアント中心に支援を行う。
(前回からの続きです)
ふるさと納税で、苦にならない節約を

高崎(代表)
動かせる貯金をつくるためのテクニックについて、貯金というと、たくさん働いて、とにかく節約するようなイメージがあるかもしれませんが、苦しみを伴なう節約は長続きしないので、苦しみを伴わないところから始めればいいと思うんですよね。例えば格安携帯を使うとか、節税するとか。
節税と聞くとお金持ちがやるもののようなイメージがありますが、我々のように企業に勤めている一般庶民でも、できる節税が結構あって今日この場でお話ししたいと思っています。一つが、ふるさと納税という制度。


福島さん
よろしくお願いします。まず常日頃から、「ふるさと納税」という名前が、ちょっとおかしいなと思ってるんですけど。これ、ふるさとでもなければ、納税でもないんです。応援したい自治体に寄附をする、寄附行為なんですね。寄附をして、自治体の使い道を指定できる。例えば、寄附をするので医療機関を増やして欲しいとか、子育てしやすい町にして欲しいとか。
そういったことが、そもそものコンセプトなんですが、ただ寄附をしても、普通はお金が返ってこない。そこで、寄附してくれた人たちに対して、お金の代わりにお礼の品を渡す、というのが、この制度の一番の特徴です。
ふるさと納税をすると、支払う税金が減る

資料にも書きましたが、お金持ちの方ほど利用率が高いです。なぜかというと、ふるさと納税で払った金額だけ、住民税が控除されるんですが、実は、その限度額というのがあります。一番下にある「全額控除されるふるさと納税額」というところですね。ここから説明しましょう。
例えば年収が200万円の人は、住民税を7万5000円ぐらい払っています。家族構成などで変わるので、人によりますが。年収200万で住民税を7万5000円払っている人が、2万円の寄付をすると、2万円が住民税からそっくりそのまま返ってきます。ただし、5万円払っても、残りの3万円は返ってきません。
上限額の目安がこちらに書いてありますが、納税額が多い人ほど、控除される金額が大きい。ですので、例えば年収500万円の人なら、6万円ぐらいを寄附する額の目安と考えていただければいいんです。
一点、ふるさと納税をする人は注意してもらいたいんですが、基本的には確定申告をしないと、控除が適応されないんです。ただ、いざそうなるととても面倒なので、ぜひワンストップ特例を利用してください。そうすると、確定申告せずに、住民税が自動的に控除される仕組みになっています。もし興味がある人は、ぜひ活用してもらえたらと思います。ありがとうございます。
サービスを使えば簡単な手続きだけで利用できるふるさと納税


小栗(インスタ大好きWEBマーケッター)
はい。ふるさとナビかチョイス、どちらかだったと思います。

住民税というのは、通常自分の住んでいる地域に納めるものですよね。例えば僕なら、東京都目黒区。でもそれが、山口県の返礼品を貰いたいので、山口県に寄附をした場合、目黒区に治めるべき住民税が山口県へ行ってしまう。なので、いい特産品を持っている地域と、そうでない地域で、地方税の収入の差ができてしまいます。「ふるさと納税ばかりして、自分の地域に保育園ができないと不満を感じている人には疑問を感じる」という、ある人の話も最近聞きました。なので、実は矛盾している部分もある制度なんです。その辺りをちょっと考えながら、利用するのもいいかなとは思います。
いずれにしても、寄附をするとその金額がほぼ税金で戻ってきますので。ただし、毎年2000円の手数料はかかります。それだけ加味すれば、ほぼ返ってきますので、皆さんもし興味がありましたら、活用してみてください。

まずは給料からの天引きで貯金する方法と、生活レベルを犠牲にしない節約をする方法。ふるさと納税のような、リターンがあってリスクがあまりないところから始めてみるのもいいんじゃないかと思って、今日説明させていただきました。以上が、動かせる貯金についての解説です。(つづく)